東川町・ノエル デリカテッセン/設計・大工・職人が心を込めた店舗兼注文住宅

works_001_01.jpg

旭川の隣。東川町の農業地帯に、鉛筆のような?それともムーミンハウスのようにも見える塔の姿が印象的な注文住宅が2018年2月に完成しました。
この写真は日没直後に撮影。
濃いブルーの空
ダークブラウンの壁
ホワイトの雪と窓枠
オレンジの灯りが雪にも映っています。

works_001_02.jpg
リビングダイニングと客間は連続させて、広い空間を確保しています。ダークブラウンの無垢フローリングや建具、白の壁が落ち着いた印象です。

works_001_03.jpg
ダイニングの壁はグリーンでアクセントを付け、飾り棚も設置。この家の完成記念に、家のイラストも飾られています。

works_001_04.jpg
実はこの飾り棚。オーナーが雑誌で見つけた棚をヒントに、設計者が起案し大工が制作しました。
使った材料はツーバイ材。ツーバイ材は構造材・下地材として使われる規格品の木材なので、家具などの材料に比べ安いのが魅力です。壁を飾り棚の形状に合わせて凹ませることにより室内側への圧迫感を抑え、色はダークブラウンに塗装。家具職人ではなく、大工が制作したため、制作費も抑えることができました。

works_001_05.jpg
窓からは一面の雪原。水田に囲まれた家なので、春から夏は緑、秋には黄金色の稲穂が見渡せます。

works_001_06.jpg
ダイニングの裏側には洗面室があります。思わず照明や蛇口、木の素材などのデザイン性に目が行きますが、深めで水はねがしにくく掃除もしやすい洗面ボウルや、収納力のあるキャビネット、大きめな鏡や洗面台など実用性も考えぬかれています。

works_001_07.jpg
Yさんは東川町の農業者です。米を主体にトマトやトウモロコシなどを生産しています。毎日の仕事が終われば、今まで住んでいた家では玄関から室内に入りましたが、よほど注意しないと、服や靴に付いた泥汚れや埃を玄関、そして室内に持ち込んでしまっていました。
そこでこの家では、玄関のほかに勝手口を設け、そこで衣類や靴を脱ぎ、勝手口の隣にある浴室でシャワーを浴びて、衣類も勝手口の向かいにある洗面脱衣室にある洗濯機そばにある洗い物入れに入れてから室内に入ることができる動線設計にしました。

works_001_08.jpg
2階は、2部屋とそれぞれに大きなクローゼットを確保しました。音楽好きなYさんは、バンド仲間とギターを弾くこともあるので書斎に防音設備も設けました。

works_001_09.jpg
併設されたウォークインクローゼットです。4帖もあり、両側にハンガーも設置。収納力抜群です。

works_001_10.jpg
ご主人は、我が家に勝手口や防音などの機能を盛りこみました。一方、奥様は、大好きなお料理を軸に要望を出しました。まずキッチンは業務用の製品を導入し、食品庫も2帖の大きさを確保しました。

works_001_11.jpg
将来的に、料理の腕を活かして友人や地域の人を招けるような空間を、という夢がある奥様。キッチンの他に7.25帖の吹き抜け空間を設け、来客用の玄関から直接入れる部屋を作りました。

works_001_12.jpg
格子の窓にアンティークな照明。

works_001_13.jpg
吹き抜けを見上げると、塔の中にいる気分です。

works_001_14.jpgここにもツーバイ材を使った造作の飾り棚がありました。

夢を実現させるための注文住宅

Yさん夫妻に、家づくりのきっかけなどを伺いました。

works_001_15.jpg左がYさん夫妻。右は今回の家づくりを担当したアーケン株式会社の藤原立人社長です。

家を建てたきっかけは?

Yさん 私は東川町生まれですが、東京の会社でサラリーマンをしていました。東京で10年前に結婚し、ずっと東京で暮らすつもりだったのですが、5年前に東川に戻って父の農業を継いだのです。

works_001_16.jpg夫婦でUターンするにあたって東川町は「帰ってこいよ住宅」という町営住宅があり、5年間はその町営住宅に住んでいました。新築で家庭菜園もできる、とても居心地の良い家でしたが、仕事場である畑まで車で15分位かかるのがネックでした。やはり農業者としては、畑の近くに住みたいという思いがありました。
そしてもう一つの理由は、妻の思いに応えたいという気持ちです。妻は料理が好きで、人付き合いも好きなタイプ。うちで収穫した野菜を使って何かしたいという夢も持っていました。
東京育ちで、私と結婚した際、私は東川で農業を継ぐつもりはなかったので、妻は今後も東京で暮らすと思っていました。それが、5年前に、急に東川に戻って農業をやると言い出した私についてきてくれました。今度は私も妻が楽しく暮らせるように、将来的に、料理をきっかけに東川の人と妻がつながれるような場を作りたいと思いました。

works_001_17.jpg

アーケンを選んだ理由は?

Yさん 最初はハウスメーカーの住宅展示場を見学したり、アーケンさん以外の住宅会社にも相談したりしていました。

works_001_18.jpgただ検討中に、いろいろ課題も出てきました。そんなとき、東川でお店を経営している友人に「アーケンさんに相談してみると良いのでは?」というアドバイスをいただいたのがアーケンさんとのきっかけでした。

works_001_19.jpg奥さま その友人は地域のつながりも深い方なので、地元の評判なども知っていて、その方が紹介してくれたのだからきっと良い工務店かなと思って、実際にアーケンの藤原社長に相談してみました。
すると藤原社長は、私たちが気になっている住宅の価格や防音対策、料理に関する設備、住宅ローンなど、いろんなことにどれも丁寧に、こちらが知りたいこと以上に詳しく検討してくれて、どれもとても早く回答してくれました。
ちょうど家づくりを検討していた時期は農繁期だったこともあり、私たちがなかなか忙しい時期でしたが、打合せの調整なども含めてたくさんフォローしていただいたのもあって、もうアーケンさんへの信頼感が強まって、お任せしたいと決めました。

works_001_20.jpg
アーケンさんは、食に関わる部分などライフスタイルに関わる部分の理解が深いことや、藤原社長ご自身が東川在住なので、何かあったとき、すぐ対応していただけるかなとも思ってアーケンさんを選びました。

家づくりの打合せはどのように?

Yさん 住宅資金やローンなどの部分は私が打合せを藤原社長としましたが、その点が解決してからは打合せの大半を妻に任せました。

奥さま 藤原社長がトータルのコーディネート、設計は櫻庭仁志さん(一級建築士事務所ブヒズアーキプラン)と長久保さん、藤原社長を中心とする連携で、住宅性能や外観、間取りなど、さまざまな点で、いつも私たちの期待以上の提案を用意してくれました。
内装や建具の色合い、雰囲気は、以前住んでいた家で買いそろえていた家具など、私の好みを元に提案していただきました。私はいただいた提案を自分や夫の意見も含めてセレクトしていきました。一部の照明などは、ネットなどで輸入品などを探して、藤原社長に相談して取り付けてもらったり、そういう面でも臨機応変に対応していただきました。

奥さま 図面だけでなく、3Dパースをパソコン上で見せていただいたので空間的にも完成後の住宅がイメージしやすかったです。 ※現在、アーケンでは完成後の住宅の空間を歩きながら疑似体験できるVR(バーチャルリアリティ)を導入しています。VRゴーグルを装着することで、間取りはもちろん、窓や収納・建具・家具などの位置関係などをリアルに体験できる仕組みです。その結果、図面上ではなかなかピンとこない、キッチンや収納の位置や部屋の広さ、窓の高さや大きさなどを図面段階でよりリアルに検証でき、理想の姿を目指しやすくなります。

建築中は現場見学しましたか?

奥さま 実は、着工前に大工さんや左官やさん、基礎やさんなど、家づくりに関わる方々15人以上の方とお会いできる食事の場をアーケンさんが作ってくれました。後日現場に見に行くと、一度はお話をしたことのある職人さんたちばかり。仲良くお話ができましたし、仕様などの部分での相談も出来たんです。現場見学が楽しくて、職人さんたちが心を込めて家を建ててくれているという実感もありました。

大工や職人は「オーナーのために」家を建てる!

works_001_21.jpg

アーケン・藤原 アーケンは『顔の見える施工』を心がけています。私が大工だったころ、ハウスメーカーの現場では、お施主様にお会いすることが一度もなく家を建てるということが珍しくありませんでした。そうなると、大工はお施主様のために家を建てるというよりも、雇用主である住宅会社のために家を建てるという意識になっていきます。
現代は、ハウスメーカーが住宅を受注し、下請けの工務店が施工し、現場では工事の種類に応じた分業制が敷かれるようになって、効率化は進んだかもしれませんが、いつしか、現場で家を建てている職人たちが、お客様の思いを知らずに家を建てる、そんな時代になってきました。

works_001_22.jpg藤原 そこで私は、家の着工前に、その家の設計と施工に関わる関係者とお施主様が交流できる場を作るようにしています。職人の側も、このお施主様のために家を作るのだと分かり、直接お施主様のマイホームに対する思いも聞かせていただくので、職人としてのプロ意識、責任感、そして期待に応えたいという思いがわき上がります。
すると手抜きはできなくなりますし、家の竣功引き渡し後のメンテナンスなど、その先何十年にもわたって、自分が建てた家への愛着、お施主様との絆が生まれます。良い家をお施主様のために心を込めて作る、という原点、初心を忘れないことが大事だと思っています。そしてお施主様にも家づくりを楽しんでいただけるように、その意味も込めて着工前の食事会を開催しています。

奥さま 住宅会社が家を建てる前に、大工さんや職人さんを集めて食事会を開いてくれるという話を既に家を建てた友人たちに話したら、みんな驚いていました。注文住宅ですから、いろいろ決めることも多く、打合せは10回以上重ねましたが、いつも楽しく、ワクワクする家づくりでした。

works_001_23.jpg

ブログ