「東川移住」の魅力と具体例

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移住先の人気エリアとして知られる北海道。そしてその中でも多くの移住者で人口が増加し、町の活気が生み出されている町が東川町です。今回はなぜ、東川町が移住先として人気なのか。東川の生活や、移住者の受け入れ態勢、そして私たちアーケンが、東川町の移住者の住まい、そして東川町での店舗などの設計施工実績が多い理由もお伝えします。

私、藤原も東川移住者です

まず、東川町の工務店、アーケン株式会社の社長である私、藤原立人も東川の移住者の一人です。私は北海道室蘭市生まれですが、14年大工の修行を経験し、営業マン・施工管理者としての経験も積んだ住宅会社の所在地が、東川町の隣にある北海道第2の都市旭川市でした。長男が誕生した際、出産と子育ての面で妻の両親を頼り、東川に住むようになったのが移住のきっかけです。以来、子育て・暮らしの拠点としてずっと東川に住んでいます。

子育て環境の良さが地域の縁も生む東川町

私が東川町に移住したのは2000年ころ。1993年に6973人にまで減った東川町の人口は、2025年現在では移住者の増加もあり、8712人までに増えていますが、2000年当時は、東川移住がブームになる前でした。まだまだほかの市町村と同じく、過疎高齢化を心配する町の一つだったと思います。

ですが、実際に東川町に移住した私たちが最初に感じたのは田舎暮らしのさみしさではなく、地域のつながりのあたたかさ、子どもたちとその親たちが近所にたくさんいるという活気あるイメージでした。

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引用・東川町HP

2002年。東川町に幼保一元化と子育て支援センターの合築施設「ももんがの家」が開園し、我が子も入園しました。幼稚園児定員60名、保育園児定員240名とその親御さんたちが通うので、子どもも親も交流が生まれました。20年以上経った今でも、当時の子どもたち同士、そして親御さん同士のご縁は続いています。人口1万人以下の町でも、地域に交流の場があると、地域に溶け込みやすく、親しい友人、知人が増えて暮らしが楽しくなります。

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引用・東川町HP

東川小学校は、敷地4ヘクタール、オープン教室、果樹園や水田、天然の野球場も備える全国でも有名な小学校です。「東川小学校に入学したい」が東川移住の動機の一つになる方もいます。また東川町の子どもが大学等に進学する際には大学1年生は50万円、2年生以降は月4万円の奨学金(返済不要)があるというのも魅力です。東川の子どもたちが成長して、いつかまた東川で活躍する日が来ると思います。

文化と人の交流を促す東川町

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引用・東川町HP

世界的彫刻家、安田侃氏の作品が東川小学校、地域交流センター、文化ギャラリーなどに展示されているのも、東川町が、子どもたちに「文化」と触れ合う機会を作ろうという思いの現れだと思います。

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引用・写真甲子園HP

毎年全国、500校以上の高校生たちが応募し、本戦出場の16校が東川の大自然を舞台に「写真」で頂点を目指す「写真甲子園」も、全国の高校生だけでなく、地元東川の人たちにも、東川の魅力を改めて感じさせる機会になっています。

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引用・東川町HP

東川町で生まれてくる子どもたちに、「ようこそ。君の居場所はここにあるよ」という思いを込めて、東川町内の工房で作られた椅子をプレゼントする「君の椅子プロジェクト」も20年以上続いています。家具の産地としての東川らしい取り組みでもあります。

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引用:東川町立東川日本語学校  

全国初の公立日本語学校で4000人を超える外国人の修了生や卒業生を輩出する「東川町立 東川日本語学校」は、留学生と町民との交流を生み、留学生の第二のふるさと、そして逆に、世界に貢献できる人材が東川からうまれるきっかけになっていると思います。

東川町移住の支援策

北海道移住を夢見る方が心配されること、といえば、冬の寒さや、仕事・収入の確保、生活の利便性などがあると思います。

東川町は、隣接する旭川市が北海道第2の都市なので、病院や商業施設、高校、福祉施設などに通いやすい、という面で恵まれています。また寒さや雪が多い面はありますが、旭川市よりは雪が少なく、除雪も極めて迅速にしてもらえるという利点があります。寒さの面でいえば、当社で気密断熱性能の高い家を建てていただければ、むしろ関東や東北の住まいより、快適な住環境が確保できます。

仕事の面では、近年までの移住者は、定年退職後のセカンドライフ的移住や、テレワークで働けるIT系の職種の方などが、仕事確保の面で心配がないという意味で、多かったと思います。

東川町は、移住者が東川町内で仕事を見つけて定着していただけることを目指し、地域おこし協力隊員の募集を積極的に行っています。なんと2023年は76人も在籍し、国内でもトップクラスの人数を誇っています。東川町の道の駅「道草館」の東側にある、建築家・隈研吾氏が設計したサテライトオフィス〈KAGUの家〉も東川町での起業、企業誘致の拠点として活用されています。

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なによりも、私が東川町の移住支援策として素晴らしいなと思うのは、町役場の姿勢です。東京の広尾で人気のビストロを営んでいたシェフ、佐野さんが、東川を移住の候補地として検討いただいた際、佐野さんと私は一緒に東川町役場も訪れたのですが、すぐその場で、オーベルジュを事業化する構想などを丁寧に聞いてくれて、支援策などを熱心に説明してくれたのです。移住相談窓口のスピード感と対応の親切さは、まるで民間企業のような印象です。こうした移住者への受け入れ姿勢は、移住先で楽しく暮らせるか心配している方々にとって、とてもポジティブな気持ちになれる出来事だと思います。

東川移住関連の補助金

東川町に移住される方が活用しやすい補助金もあります。

1 きた住まいる建設推進事業補助金

東川風住宅設計指針に定める審査基準(景観への配慮)や、北海道が定める「きた住まいる」に登録された戸建専用住宅であることなどの基準をクリアできれば、上限100万円の補助があります〈町内業者は上限150万円〉

2 薪ストーブ設置事業補助金

戸建専用住宅に薪ストーブを設置する方が対象

3 合併処理浄化槽設置整備事業補助金(個人)

トイレからの汚水、台所・風呂場等からの雑排水を併せて処理をし、汚れた水を浄化して水路に放流するための合併処理浄化槽の設置工事の助成があります。

4 東川町産業振興支援事業(起業化)補助金

東川町内で起業しようとする者又は起業してから1年以内の事業者を対象に補助対象経費の1/3以内で上限100万円の補助があります。その他にも補助金はありますので、詳しくは東川町のホームページを参照いただけれたばと思います。https://higashikawa-town.jp/portal/kurashi/panel/100

東川移住の留意点

大雪山のふもとにある東川町。自然景観豊かで、毎日天然ミネラル水が飲める、アウトドアスポーツも温泉も楽しめる、移住支援策も子育て支援策も充実しているなど、東川移住の魅力はたくさんあります。

8000人規模の東川町には、毎年600人以上の転入者がいるので、町民も移住者との関わりが深く、移住者に対する「よそ者」扱いも感じられないというのが東川移住へのハードルを下げている面もあると思います。

その一方で、留意点もあります。一番は、公共交通です。市街地はバス路線もあるので、通学、通勤などに使えますが、郊外に家を建てる場合、特に高校に通う場合、バス停まで家族が送迎しなければならないという面があり、その点で、市街地に移住される方も多いと思います。

なお、当社にもありがたいことに「東川に移住して家を建てたい」「東川でカフェを開業したい」というご相談を多くいただいております。そこで、この後は、移住ご相談をいただいて、移住を実現された方の実例をご紹介します。

東京から移住 自宅兼洋総菜のお店を開店

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参照:https://www.ahken.jp/works/works-831.html

東京から東川町に移住されたYさまご夫妻。東川町で実家の農業を継ぐご主人、そして料理が好きな奥さまが、自宅兼洋総菜のお店を開業したいというご相談をいただきました。そこで住宅に関するデザイン、内装、造作、費用、そして料理に関する設備、照明などいろいろなご提案をさせていただきました。2018年の開店以来、東川の大人気お惣菜店としてご活躍されています。

参照 ノエルデリカテッセンinstagram

東京から東川へ ジャム&カフェのお店を開業

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オーナーは東京出身ですが、高校生のころから北海道に毎年旅行に来るほど北海道が大好き。道内各地のレストランで修業を積み、ジャムづくりに興味を持って農業者との関わりも深くなり、自分の店を持ちたいと決意。

役場の方々が移住相談に親切に対応してくれたこと、実家のある東京にも旭川空港から直行便があり、自然環境・景観も魅力だったので東川移住を決断。

アーケンに設計施工をお任せいただいたのは、住宅、店舗の両方の経験が豊富だったこと、アーケンが設計施工した江丹別の(チライ)を訪問して参考になったこと、東川周辺の農家さんを紹介できたことが要因だったと伺いました。

参照 【東川町】東京から移住~ジャム&カフェTam Jam!

早期退職で大阪から東川へ

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オーナーは55歳で製薬会社を早期退職。大阪からご夫婦で北海道東川町に移住され、2023年に自宅、2024年に宿「青SORA Terrace」を開業されました。

50代になり、今後を考えると定年、再就職も選択肢でしたが、新天地で未経験の仕事に挑戦するほうが、自分と妻にとってワクワクする生き方になると考え、若いころに宿をやってみたいという夢があり、北海道が大好きだったことから移住を決意されました。

自宅と宿建設にあたっては、複数の工務店に要望を伝えた結果、提案力が想像を超えていたこと、建てたら終わりということではなく長く付き合っていける会社と感じたアーケンを選んでいただきました。

参照 【東川町】青SORA Terraceが誕生!

他にも10件以上、移住のお客様の住まい、店舗づくりを担当させていただいております。

最後に お気軽にご相談を

北海道に移住されるなら東川町だけでなく、旭川市、富良野市、美瑛町、東神楽町、当麻町、なども選択肢になるかもしれません。それぞれの地域に独自の良さがありますし、移住される方が実現したいライフスタイルや仕事、利便性重視か自然環境重視かなど、叶えたいことによっても最適地は違うと思います。

私は移住を希望される方に、まず移住に関する不安を解消できるようにサポートします。役場を案内したり、先輩移住者に会っていただいたり、飲食店開業を目指されているなら、お店を開業された方、あるいは農家さんを紹介したり、東川に親しみを感じられるような場所に案内したり。移住を検討されている方には、まず家や店舗のプランではなく、東川の暮らしをイメージできるように、不安を解消できるように努めています。

移住を希望される方と、zoom会議などオンラインで打合せをさせていただくことも多いですね。移住に関する不安、要望などはzoomでもたくさん打合せをさせていたただくことで、十分な検討を重ねることができると思います。

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なおアーケンには、私のほかに4名の社員、そして長年連携させていただいている大工さんや専門の職人さんたちの力があります。

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設計面の中心メンバーである太田は、2025年夏に、埼玉在住のお兄さんとともに、一棟貸しコテージ「Le Lien(ルリアン)」をオープンしました。

東川の景観・環境に魅せられた太田自身が、東川町を舞台に、設計施工したプライベートコテージです。太田も東川町に魅力を感じ、宿泊事業を開始しています。ぜひ私たちと一緒に東川で楽しみませんか?

なお、アーケンの公式サイトで、久しぶりに再開したブログ連載シリーズ。これまでは、

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などをご紹介してきました。次回もお楽しみに。