今回は、アーケンの太田専務がお兄さんと一緒に始めた東川町の水田に囲まれたコテージ「愛犬と暮らす宿 LeLien(ルリアン)」について伺います。
ー太田さんが愛犬家なのは知ってましたが、愛犬家のための宿を始めるとは驚きました
太田 私は物心ついた頃からずっと家にワンちゃんがいました。北海道犬です。小学校3年の頃にはチワワ、高校生の頃にはボクサー犬も飼いました。
30歳の頃にはビーグルを飼って、結婚したらイタリアングレイハウンドを飼って13年暮らし、亡くなった後、再びイタリアングレイハウンドの兄妹を飼い、現在も一緒に暮らしています。
2025年、家族が増えました。イタリアングレイハウンドですw
一緒に宿を経営する兄もチワワを3頭飼っていますし、妹の家族もチワワを3頭飼っています。
愛犬家にとって、旅行にワンちゃんを連れていくというのは1つの壁です。そもそも旅行先のホテルで、ワンちゃん同伴okのホテルは限られます。
ワンちゃん同伴okの宿もありますが、頭数制限がある場合は、3頭を連れていくなら2部屋借りなければならないというような場合もあります。また体重制限があって大きい犬はダメというホテルもあります。
ソファーの上に乗せないでください
寝室に入れないでください
というホテルもあります。ホテル側からの制約がない場合でも、壁紙を傷つけないように、粗相をしないようにと、旅行中飼い主さんは気が気でないという場合もあります。
愛犬家が、ワンちゃんと一緒に、普段の暮らしのような気持ちで制約なく楽しく泊まれるホテルがあればいいのに、というのが、「愛犬と暮らす宿 Le Lien(ルリアン)」の想いです。
ー具体的には?
太田 内装は、ワンちゃんがひっかいたり、おしっこをしても、壁紙を張り替えなければならない、という状況にならないように、内装は下地材仕上げです。大きな傷がついたとしても、大工さんがその部分だけ下地材を交換すれば元通りになります。
ソファは、高さ32センチで小型犬が上り下りしても腰の負担が少なく、爪のひっかきに強い生地を使用し水をはじくようにパールトーン加工をしています。
心置きなく走り回れるドックランもあります。建物は延床面積が約20坪。吹き抜けで解放感もあります。
ワンちゃん用の足洗い場。マットもエアウィーブなので水で丸洗いできます。
飼い主さんと一緒に寝ることもできます。ワンちゃんと一緒に旅行するなら、そういう制約を一切なくして家にいるように気兼ねなく過ごせる宿があれば、きっと喜んでくれる方がいると思ってLien(ルリアン)を2025年7月にオープンしました。公式サイトはこちらです。eau(オー)とneige(ネージュ)の2棟があります。
チェックインは10時から可能。チェックアウトは13時です。多くのホテルはチェックインが15時前後ですが、そうなると到着して、お風呂に入って、食事をして、お酒でも飲んだらもう就寝です。翌朝10時チェックアウトなら、朝ご飯を食べて身支度したらもう出発です。
一方、LeLien(ルリアン)なら、10時にチェックインしてウッドデッキでバーベキューを楽しんでもいいし、ワンちゃんと一緒に夜までくつろぐのもお勧めです。翌朝も朝食だけでなく昼食も楽しめます。宿でくつろいでいただくこと自体を旅の目的にしていただけるように工夫しました。
ー東川町で宿泊業を始めた経緯は?
太田 私と兄は旭川出身で、兄は埼玉で事業をしています。その兄が2024年のお盆休みに実家に帰省した時に「いつか地元で事業をやりたい」と話していたんです。
「東川で賃貸アパート経営はどうだろう」と言うので、良い土地があれば伝えると話しました。そして兄が埼玉に戻る寸前に、アーケンの社内会議で、
東川の水田地帯で大雪山を一望できるエリア、そして青空テラスや、ノエルデリカテッセン、東川ペリカンなど、アーケンが設計施工させていただいた建物の近くに魅力的な土地情報があるという話になり・・・。
兄に伝えたところ、兄は「ここなら良い」と即決、そして敷地に余裕があるので、私も1棟建てようと即決したんです。東川も土地情報はそう多くないので、とても幸運なタイミングでした。
ただし、建てるのは賃貸アパートではありません。ワンちゃんと一緒に宿泊できるコテージです。
東川町は近年、移住者が増え、カフェなどの飲食店などを起業する人も増え、町に活気が溢れています。羽田空港から直行便がある旭川空港、そしてそこから車で10分で東川町中心部にも行けて、美しい田園風景、グルメ、旭岳登山、スキー、温泉、キャンプなどの楽しみもあります。富良野や美瑛などの観光地を巡る人たちも東川を訪れてくれます。こうした状況の中で、東川町の宿は需要があります。
デザインはシンプルでカッコよい外観を目指しました。収益性を重視するなら、もっと建物のスペックや仕様を落としましたが、この建物は、もし宿泊業を辞めたとしたら、その時は自分たちが住みたいと思えるほどのクオリティにすることを考えました。結果当初予算をだいぶ上回りましたが、設計者として家づくりの現場では予算的になかなか導入できないこともチャレンジできました。
つまり採算があうかどうかというより、元は取れなくてもいいから宿泊客が満足してもらえる建物になることを優先しました。
関東に住む兄の子どもたちも宿泊したのですが「田んぼや山の景色を眺めながら過ごしているとストレス解消にもとても良い。もう一泊したい」ということで宿泊を延長していました。薪ストーブ体験もできます。2階部分には白樺のフローリングも使われていたり、ナチュラルな空間も体験できます。
ワンちゃんと一緒の北海道旅行の途中、
キャンピングカーの旅の途中、
などにぜひご活用いただければと思います。
また、北海道・東川移住を検討中の方にも体験移住の拠点としてぜひご宿泊をおすすめします。アーケンの家づくりを体験できるモデルハウスとしても見学可能です。